般若心経を丸暗記したが空がわからない(町田宗保院坐禅会6回目)

町田宗保院坐禅会6回目参加の感想を書きます!

6回も参加するとビギナーズマインドを失ったので警策で和尚さんにぶん殴られたい

なんだかんだで6回も参加が継続している. はじめはみるものすべてが新鮮だったし, いろいろな決まりもほぼわからなくてオドオドしていた.

だんだんなれてきて, ついには慣れすぎて, 緊張感が薄れていることにまず気がついた. ビギナーズマインドを忘れないようにしよう. 慣れたからといって, まだまだこの不思議な空間では知らないことは多すぎる. 警策で和尚さんにぶん殴られたい.

無限に依るということが今日のテーマ

ある動画をみて, 数日前からとても気になっていることがある.

仏教と悟り - YouTube, t14より.

大乗仏教とくに浄土系は, ダメダメな自分をとりあえず阿弥陀様に預ける. 瞑想がうまくいかないとき, テーラワーダの瞑想ではどうするのですか?という問いに対して, アチャン・ニャーナラトー師いうテーラワーダ僧侶は「無常や無我に依る」と答えた. この無という概念は, 有の対義語の無ではなく, 制限がないという無限の意味.

??? 疑問すぎてこれをとても考えている. ただ, この概念は禅でも富士山を不二という. 禅語の「非思量」と似ているのかは現在勉強中. さらにいえば, 鬼滅の刃にでてくる時透無一郎1は, 「無一郎の無は無限の無」と気づくことで, 悟りを開き鬼退治をしたのでは?

今まで, 禅定に心を落としてそれを保つことを目指すと思っていたが, 実際のところ心が安定しても, なにかの刺激によって簡単に心は乱れる. ただ, 心を穏やかに保つということがそもそも常ならぬものであり, その状態への執着を手放して, なにかの刺激に対して心はどう動き, そして再び落ちていくのか, そのプロセスをみようと思った. 無限とは大乗的には空と言い換えてもいいのかもしれない. 空に依るとは?

無が虚ろだと依ることはできないし, かといって関係性でのみ現れるようなものだと, やっぱり安定している感覚がなく依るには頼りない. わからない. このふわっとした意味のわからないものに依るといってもけっこうしんどいので, じゃあ般若菩薩を持ってきて人格化したようなものに依るのならば, なんか頼りやすい. いくらでも抱きつくよ. そういうことか?しかしそれはなんか坐禅的ではないかもしれない.

覚えたての般若心経をさっそく朝から振り回した

朝の坐禅会は, 前半は坐禅の時間で後半はお勤めという先祖供養の時間. 毎回まずは般若心経を読む.

実は今日の参加に備えて, 1か月かけて般若心経を丸暗記した. 中学生のときに一度丸暗記して唱えて親を悲しませたのだが, 大人になってすっかり忘れてしまった. 昔は覚えてたのに… という悔しさもあるので暗記した. その修行の成果を発揮して, 愚かにも覚えたての般若心経を振り回して, とっても満足感を得た.

ただこの愚かな爽快感を味わいたいためだけに, そこそこ時間をかけて般若心経をまなんだのだが, 意味をひとつひとつしらべて咀嚼しながら学んだのがよかった. 中二病のときはなにも意味がわからなかった.

ひとつ面白かったのが「是大神呪 是大明呪 是無上呪 是無等等呪」. これを学んだあと電車に乗ると富士通のパソコンのCMで「神パソコン, 史上最強」. これって, 般若心経のと同じじゃないか… 富士通のせいでありがたい般若心経のお言葉の有難さが平凡なものになったかもしれない2.

般若心経は仏教のいろんなエッセンスがそこに凝縮されたマントラだ. わたしはこれを, 最近流行りの生成AIに入力するためのプロンプトだと思っている. プロンプトエンジニアリングとは宇宙にアクセスするための真言だ. それを心にインプットするとなにかが開けるかもしれない.

空というオブジェクトは無相という無限の状態と無作という無限の機能をもつなにか?

今日のワンポイント禅語話は, 看脚下, 足元をみよという意味.

ただこのワードよりもその前の「三門」が面白かった. お寺の門は山門と三門の2つの書き方がある. 三門の意味は悟りに通ずる三つの解脱の境地を表わす門を表す.

  • 空門
  • 無相門
  • 無作門

ここでも無相とか無作という「無」というキーワードがでてきて困る. 単純に無をなにもないと解釈するべきなのかどうか問題.

エンジニアとして働いていた職業病なのか, わたしは物事をとらえるときにオブジェクト指向設計3で捉えることが多い. 具体的にはある, 概念を考える時(オブジェクト), その状態(状態/attribute)と機能(操作/function)をわけて考える.

すると, 無相と無作とは, stateもないfunctionもないと解釈できる. ただ, ないを無ではなく無限とするならば,

stateは 生->住->滅というstatusを持つものであり, functionはサーバに対するgetリクエストのように, 外部からの要求に対してリアクティブにレスポンスを返す機能集合的ななにかということになる.

そして, そんなstateとfunctionを同時にあわせもつなにかが空なのかもしれない. こんな解釈だと, 無限というのもなんとなくしっくりくる.

じゃあ, そんな無限に依るとは?わからない!!!

参考


  1. 時透無一郎 (ときとうむいちろう)とは【ピクシブ百科事典】 ↩︎

  2. 般若心経は後半部分の盛り上げ感がけっこうおもしろい. 解説動画をみてけっこう笑った. 【般若心経③】秘密のご本尊『般若波羅蜜』の正体がいよいよ明らかに! - YouTube ↩︎

  3. オブジェクト指向分析設計 - Wikipedia ↩︎